誰も知らない世界に二人で。図書館に行ってみる。 6-2.→7.

6-2.誰も知らない世界に二人で。

「ですが、マリッジ・ブルーに罹ったのでしたら……。」
「ええ。それは今年の二月のことなのですが、まだ発見こそされていませんが、捜索は続いています。」

 案外、その二人も故郷に戻っているのかも知れない。いや、故郷こ、最初に探されるだろうか。故郷かどうかは分からないけど、ここではないどこか、誰も知らない世界に二人で、最期の時を待ちながら……。

「一応、再殺の結果は全国紙の『お悔み』に掲載されるので、毎日チェックはしているのですが。」
 では、まだ生きているのか。それが良いことか悪いことは分からない。
「……。」
「……。」
 ん?沈黙?
「……あの、最後の、三人目の方は?」
「……最後の方は、心中されました。」
「え?」
「飛び降りによるものでした。」

 ……それも良いのかも知れない。最愛の人を手にかける、再【略】るなら、いっそ共に死を……。二人の最期の時間。故郷で過ごす、失踪する、心中する。それらは正しい選択なのだろうか。いや、三人の男達も少なくとも最初は……。しばらくして医者は診療に戻った。僕は一人部屋に残された。


7.図書館に行ってみる。

 その日はそのまま家に帰り、なんとなく晩ご飯を食べて寝た。次の日、朝起きて、なんとなく朝ご飯を食べて、図書館に行ってみることにした。『奇病』に関して調べてみるためだ。インターネットでも粗方調べてみたのだけど、インターネットで分かることは限られていた。

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